〜Invitation〜

望まれたというわけでもなく
気がついたら存在していた、その事を止める理由も見つからないだけで。
誰に気付かれることもなく、見られるものでなく、見るものとして存在を続ける。
それは限りなく、無い事に等しい。
だけど間違わないで、それは、それ自体は決して不幸じゃない。

あなたが歌えば世界はあなたに気付いて、あなたはあなたを見る誰かのうちに存在することができる。
だけど多分それは、あなたの思うあなたじゃない。
相手を間違ったと思うなら、何度も繰り返して誰かを探せばいい。そして気付くから。
あなたがもといたその場所で、あなたが知っていたあなた以外に、あなたの居場所は無い。
だけど間違わないで、そう気付くことは、決して不幸じゃない。

長い長い、旅を続けて辿り付くのは、そう、旅を始める前の場所。
もはや全てを受け入れて広げた両手はほら、全てが始まる前の混沌にとっても似ている。

成功とか失敗とか、不幸とか幸福とか、そういうこととは関係なしに、わたしたちはダンスを踊る。

わたしたちは、そういうふうに、作られている。

多分、退屈な神様が、ダンスを踊る夢をみた。
わたしたちはその夢でダンスを踊る役者。

それをペシミズムというなら。
起こしてみるしかないね。
眠ってる、わたしたちを夢見てる誰かを。
そのとき、わたしたちは、存在しているのだろうか。

もし、神様が目覚めて、私は夢の中に霧散するとしても。
きっといつかわたしは神様を揺り起こすだろう。
それもひとつのダンスなのだから。

夢のなかに散ったわたしはきっと、世界が夢を見る前の混沌に、とても良く似ている。


Shall we dance?

今この場所から、神を殺すために。
自身を溶かすために。

〜kei 2001.11.2


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