もの思ふ月     −天蓬−




しのぶれど色に出でにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで <平 兼盛>

  な〜に見惚れてんの

  何の事ですか?

  まーたまたぁ、とぼけちゃってぇ、バレバレなんだよ

  ま、美人ではあるけどね

  せいぜい振られないように頑張んな、ははは・・・

  ・・・・・その前に、まだ告白もしてません

  いえ、させてもらってません

  でもばれてるんでしょうねぇ・・

  なのにあの態度・・

  それってやっぱり既に振られてるって事でしょうか・・・・・



あひみての後のこころにくらぶれば 昔は物を思はざりけり <権中納言敦忠>

  そんな悩みも物思いのうちには入らなかったのですね・・

  思いを遂げたこの今の

  魂を引き裂かれるような痛みにくらべたら・・・



君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな <藤原義孝>

  以前はこう思っていました・・

  貴方のためなら死んでもいいと・・

  でも今は違います

  こう願ってしまう僕がいるんです

  貴方と共にいつまでも生きていたいと・・



瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ <祟徳院>

  あぁ、だけどお別れです・・

  下界に堕ちる時が来ました・・・

  でも、必ず、貴方を見つけ出しますから・・・

  その時は二度と離しませんから・・・・・



久方の光のどけき春の日に しづこころなく花の散るらむ <紀友則>

  死さえ存在しない

  永遠の天上界・・・

  激しく散りゆく桜だけが

  彼らを見送っていた・・・・・



秋風にたなびく雲の絶えまより もれ出づる月の影のさやけさ <左京大夫顕輔>

  そして・・・

  時が流れること幾ばかりか・・・

  地上に現れた不変の月







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